豊田市障がい者向けコミュニケーションボード作成事業

6月頃から事業提案に向けて、
9月からは障がい福祉課と共に事業実施に向けてと
長い間、じわじわと水面下で準備を進めてきた
『豊田市障がい者向けコミュニケーションボード作成事業』ですが、
市議会の予算委員会も無事通過し、晴れて事業実施となりました。

私自身、発語のない重度の知的障がいと自閉症を持つ子どもの保護者です。
我が子とコミュニケーションを取る方法は、指さし・ジェスチャー・イラストや写真を用いたカード、そしてキーワードのみの筆記と、ひらがなを押すと音声の出る幼児用のおもちゃです。
10年をかけて、ようやくここまでバリエーションが拡がりました。

個人差はありますが、私の周囲では、我が子と同じように言語での会話が難しいお子さん達の方が圧倒的に多いのです。

もちろん、どのお子さんも年月と共に成長しています。
数年前に絶対無理だと思っていた事が出来るようになったりもしています。

でも、この先、常に親や支援者が付いていられるばかりでもない。
その時、本人の成長や意思を伝える相手を限定したくはないのです。
会話でなくても伝わる手段がある事をもっと多くの人が知ってくれたら、
きっと将来、この子達ももっともっと暮らしやすくなってるかもしれない。

障がいがある事を伝えても、その先の「では、どうしたら?」の部分を伝えていかなくては、何も変わらない気がしたのです。

なので、障がいの有無に関わらず共通のテーマである「防災」から動き出す事にしました。

まずは【コミュニケーションボードを豊田市の避難所の備品とし、地域の防災訓練で使ってもらう】

そして、そこから【顔の見える関係をつくっていく】

もろに、怖い物知らずの野望です(笑)

「絶対ムリ」「そのうち忘れ去られて終わるよ」
「その時間をもっと子育てにかけるべき」という声もたくさん頂きました。

でも、やりたかったんですよね。
我が子のためにも、身近にいる同じような子ども達のためにも。
思いっきり遠回りな支援だとは思うけど。

コミュニケーションボードは、2003年に(公財)明治安田こころの健康財団と全国知的障害養護学校長会(現全国特別支援学校知的障害教育校長会)が主催し、東京IEP研究会制作の「コミュニケーション支援ボード」が全国規模で配布されたところから始まりました。
その後、地方自治体や関係機関・団体などが協働で、それぞれの地域特性に合わせたコミュニケーションボードを作成し、配布しています。

このコミュニケーションボードの存在を知ったのは、3年位前、発達障がいの理解啓発方法を求めていた豊田市役所の障がい福祉課からの参考資料でした。
調べてみたら、日常生活でも使えそうなパターンがあり、『こういうのがあったらいいな♪』と素直に思いました。
その思いがず~っと心の中に残っていたわけです。

その後、豊田市が行った平成27年度からの「障がい者ライフサポートプラン(次期豊田市障がい者計画)」にまつわるアンケート調査の結果報告資料『障がい者を取り巻く現状と課題』にて、

【障がい者の地域生活で必要な取り組み】では、
「災害時・緊急時の情報提供や避難誘導、福祉避難所など障がい者の災害対策の充実」を求める声がトップに上がり、その次が「地域住民の障がい者への理解を深める啓発」となっています。

次に【災害に関して不安に思うこと】として、
「避難所で一緒にいる避難者の障がいなどに対する理解」「被災時に近所の人や知人などから助けてもらうことができるか」等が上がっており、特に知的障がい者やその家族が不安と感じている事が判ります。

今回は、こうした 豊田市が取り組みたい課題と
くらっぷの提案が見事にマッチングし、事業化できたのかなと思います。

このコミュニケーションボードひとつで、全ての課題がクリアになる訳ではありませんが、
『幾つかある中のひとつの有効な方法』として受け止めてもらえるよう、まずはカタチとして仕上げないとね。

障がいのある方だけが使うツールではなく、
障がいのある方と地域の方を繋ぐツールである事を伝えつつ、
市の職員さんをはじめ、たくさんの仲間達と手を繋ぎつつ、
よりよい物を作っていきたいです。

頑張りますよ~♪😄
関係者の皆様方、どうぞよろしくね😊